おれは、スマートホンは持っているが、ほとんど使っていない。電車を待つ間、イライラしないようにたまにFacebookを見る程度である。電話すら緊急時以外には使わず、しかもおれみたいについでに生きているような人間には緊急時なぞほとんどなく、要するに使う機会がないのである。何だったら、固定電話を携帯してもいいと思っているくらいだ。
そんな具合だから、何かに魅入られたようにスマートホンを覗いている人たちのことをおれはちょっと不思議に思いながら見ている。朝の電車の車中で、大勢の人がいっせいにうつむいてスマートホンや携帯を見ている姿は、少々異常な光景に感じる。全員しょぼくれて見えて、何やら奇妙である。
まあ、そこらへんは各人の勝手なのだが、歩きながらスマートホンを見たり操作したりしている人はさすがにどうかしているんじゃないかと思う。何ヲソンナニ夢中ニナッテイルノデアロウカ?
自転車に乗って横断歩道を横切るとき、スマートホンに魅入られながら渡っている人がよくいて、危ないなー、油断してるなーと思う。信号が青でも左折車、右折車、あるいは信号無視のクルマにハネられることがあるとは考えないのだろうか(考えないんだろうなー)。スマートホンを見ながら自転車に乗っている馬鹿もたまにいて(若いヤツに多い)、どうしてそこまで根拠のない自信を持てるのか、これまた不思議である。
十何年か、あるいは何十年か、上り下りに右折に左折、泣いたり笑ったり怒ったりして生きてきて、スマートホンを見ているときに死んだら、随分つまらない終わり方だろうなーと思う。考えてみていただきたい。クルマかバイクにハネられて、この世で最後に見るものがTwitterへの「○×♡※なんでしゅー」みたいな実にどうでもいいような書き込みだったりするかもしれないのだ。あるいは、そんな人いるのかどうか知らないが、今現在、あなたが歩きながらスマートホンでこの文章を読んでいるとする。それでハネられたら、こんなくだらないブログの文面がこの世の最後の風景となってしまうのだ。
そんな終わり方馬鹿らしくないですかネ。大きなお世話ですか。