昨日(id:yinamoto:20080806)の続き。
70年代後半に活躍したファンク集団パーラメントの総帥、ジョージ・クリントンのファッションについてである。
わたしがジョージ・クリントンのファッションで最もイカしていると思うのは、アルバム「モーター・ブーチー・アフェア」(1978)の裏ジャケットである。
ズビーン。
細かにファッション・チェックしてみよう。
足許はイルカでサーフィン。
こんなケバケバのパンツ、どこで買うのだろう。というか、そもそも誰が作るのだろう。
テンガロン・ハットにネッカチーフというセンスが素晴らしい。しかも、それでイルカに乗っているのだ。白い歯が眩しいです。
下町黒人のパワーの象徴、デカ・ラジカセ。なぜか指輪がキラリン、と輝いている。
シビれる。
おそらく、ジャケット撮影用のファッションだとは思うが、パーラメントの人々の場合、こんな格好で平気で街を歩いていそうだから、オソロシイ。
「ヘ〜イ、ジョージ、キマってるね〜」
などと声を掛け合ってハイタッチするのではないか。知らんけど。
我が国でこのセンスに対抗できる存在があるとしたら、唯一、バカボン・パパだけかもしれない。
昨日、パーラメントの音楽については扱わないと書いたが、参考のため、一曲だけ。パーラメント最大のヒット曲「フラッシュ・ライト」。タイトル通り、懐中電灯について歌った歌である。
この大バカ野郎ども。
ゲットーのアパートで暮らす太ったママ達はきっと泣いているだろう。
ちゃんと(?)ファンク・ミュージックの抹殺をたくらむ怪人サー・ノーズ・ドゥヴォイド・オヴ・ファンク(長い鼻を付けた人物)は登場するし、それにバップガン(サー・ノーズに対抗する正義のファンク戦士達の武器。詳しくは昨日の日記を参照のこと)を照射して退治するし、背中に翼のついた人物がそこらへんをふらふらしているし、巨大な懐中電灯をぶん回すし。やりたい放題である。
見てくれはともかく(いや、見てくれも作用して)、彼らの音楽の狂熱ぶりがよくわかる。
このムービーは前半部分で、それでも6分ある。後半のムービーも6分ある。
驚くべきことにこの曲、上に乗っかるメロディやホーンのフレーズはいろいろ変わるが、コード、リズムの基本パターンはたった2小節しかない。
1回だけ別のパターンが挟まるが、2小節をほぼ全編、合計12分間繰り返している。
それでももつ、というか、延々繰り返すからこその高揚感があって、それはファンク・ミュージックの特徴でもある。
時々出てくる「♪ハダダディダダダハダダダ〜」というメロディも変態的だ。どうやったらこんなの思いつくのだろう。
素敵すぎます。
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