昨日、調べ物をしていて、こんなページに行き当たった。
日本オリンピック委員会のサイトの、アテネ・オリンピック出場選手のページだ。アーチェリーの松下紗耶未選手のプロフィールである。
「尊敬する人物」のところの「くいちんマスター」が目を引く。誰だ、くいちんマスターって?
わたしの知らないバンドか何かかと思ったが、そうではないらしい。
検索してみたところ、くいちんマスターが誰か、ということは、アテネ・オリンピック当時、インターネットのごく一部で話題になったらしい(おそらく、そのほとんどが男のはずである)。
そうして、ごく一部の人々の必死の努力の末――かどうかはわからぬが、調査の結果、仙台に「くいちん棒バンザイ」という風俗店があり、大分に「くいちん」という居酒屋があることが判明した。
そのどちらかの店長のことではないか、松下嬢は大分県出身だから、居酒屋の店長の線が強いのではないか、とそういう話になった。
さらに、居酒屋「くいちん」は松下嬢の出身高校の近くにあることも判明し、「くいちん」店長説でほぼ確定した。
しかし、松下嬢本人に確かめるまでには至らず(何しろ、本人はアテネでアーチェリーをしていた)、オリンピックは終わり、松下嬢は団体10位、個人21位という成績で帰国した。人々の興味も他に移った。
それにしても、数年前、顔を知らない者同士の間でインターネットを通じて「くいちんマスター」とは誰か、という調査が行われ、その結果、今、横浜にいるわたしは、大分に「くいちん」という居酒屋があり、仙台には「くいちん棒バンザイ」という風俗店があるという知識を得た。
凄い時代である。一方で、何がどう凄いのか、わたしには相変わらずよくわかっていないのだが。