どうも、このところ、巨人の清原の去就が話題になっているらしい。
巨人の試合はまず見ないし、そもそも今年、野球の試合を見たのは5試合かそこらだ。オリンピックの野球も、ニュースを除けば1試合しか見なかった。
プロ野球再編のドタバタを野次馬的に楽しんでいただけである。
なので、現在の清原の実力や、チームの中での位置というのは知らない。
ただ、大変なスター選手であり、年齢的にも、性格的にも、いろんな意味で重たい選手だ、という印象を持っている程度である。
清原についての、特に活字方面の報道で不思議なのが、一人称である。「ワシは」とか、「ワイは」という表現をよく見かける。
本当に本人、あんな言葉遣いしているのだろうか。
例えば、ヒーローインタビューでお立ち台にのぼり、「ワイの力というよりも、チーム全員でもぎとった勝利です」などと答えることがあるのだろうか。
まあ、ヒーローインタビューは公式の場だから「ワシ」、「ワイ」は使わないだろう。しかし、プライベートで「ワシ」、「ワイ」を使っている姿を想像しても違和感がある。普通は「オレ」だろう。
マスコミによる勝手なキャラクターづくり、というものなのだろうが。
清原は桑田とPL学園で同級で、ふたりとも鳴り物入りでプロ入りした。
最初にマスコミによく登場した(というか、叩かれたり、からかわれたりした)のは、桑田のほうだった。
「投げる不動産屋」などと呼ばれ、また、そのネクラな印象とホクロの多さ(実は日々、ホクロの位置が変わっている、という怪情報が流れたこともある)がしばしばネタにされた。
清原のほうはパ・リーグに行って、パジャマみたいなビジター用ユニフォームを着る西武に入ったせいもあり、キャラクターは曖昧なまま、活躍のみを取り上げられた。
言ってみれば、「大物だけど、一選手」の扱いだった。
それがいつのまにやら、立場が逆転し、清原はどんどん「濃く」なり、桑田はどんどん「薄く」なっていった。
プロ野球選手は、晩年に近づくにつれ、キャラクターが濃いか薄いか二極分化していくようだ。これは必ずしも成績とは関係ないように思う。
プロ野球の世界の上下関係は、年齢で決まるらしい。元々濃い人間はベテランになるに従って、上を気にせずに振る舞えるようになるからかもしれない。