大阪のブランド品

 昨日一番のニュースは、偽ブランド品を中国から仕入れて売っていた男が逮捕された、というやつだろう。
 自宅マンションから見つかったのはルイ・ヴィトンの偽物319種(!)683点。中にはルイ・ヴィトンのロゴ入り麻雀パイや扇子もあったという。


 容疑者は大阪人だった。


「あはは。やっぱりねー」と、ニュースを見ながらわたしは思った。


 ――と書くと、大阪人の方々には甚だ失礼なのだが、「やっぱりねー」と思った理由は、一応、ある。


 中場利一の小説「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」にこんな一節がある。
 競輪場の横でチンピラの「私」がバッタモンのブランド品を売らされる。


 それにしてもこの、私の目の前に並んでいる高級ブランド品である。これのどこが高級なのか聞きたくなってくる。たしかにパリに本店があるようなブランドのマークが入っている。でもなあ、あのカバンで有名なブランドがゴムの長靴を作るかなあ。
 そんな物ばかりである。中の布地に高級ブランドのロゴが入ったゴム長。そのブランドのロゴ入り腹巻に作業ズボン。スイスの名門が作っためざまし時計。そんな物ばかりである。


 ニュースのまんまである。というか、ニュースが小説のまんまである。


 映画の「下妻物語」でも、宮迫博之扮する主人公の父親が、大阪でベルサーチとUSJのロゴ入りバッタモン(両方、一緒に入っているんだったか?)を売っていた。


 実際には、大阪の偽ブランド品文化というのは、どのくらいの広がりと深さと奥行きを持っているのだろうか?
 ぜひ知りたい。


 と書いてはみたものの、本当はそんなに現実を知りたいわけでもないのであった。
 わたしの大阪幻想のひとつとして、心の中に大切にしまっておきたい。


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「今日の嘘八百」


嘘百三十八 おれもこないだの日曜に、核開発に成功したけどね。ブッシュさん、どう出るかな。