年をとると物忘れが進むというが、わたしの場合、実際、かなりキテいる。
例えば、パソコンで何かを見ようとブラウザのアイコンをダブルクリックして、立ち上がるのをぼーっと眺めているうちに、何を見ようとしていたのか忘れてしまう。
その間、2、3秒だろう。もはや、鳩並みである。
買い物に行ってもそうで、複数の物を買いに出かけると、そのうちの1つ2つは忘れてしまう。
アルツハイマーなのだろうか。もしこれがアルツハイマーなのなら、まあ、まわりはそのうち、大いに迷惑するのかもしれないが、本人はいたって気楽なものである。
ま、ひとつ、ヨロシク頼むよ。おれも、一応は、健康で文化的な生活を送る権利があるからサ、てなもんである。
アルツハイマーなのかどうかは知らないが、忘れるに至る途中を考えると、ぼんやりしたり、他のことに気をとられたりしているようだ。その間に忘れてしまうらしい。
若い頃なら、ぼんやりしても、何かに気をとられても、すぐにその前に考えていたことを思い出せた。
復元力があったのだろう。今は復元力がだいぶ弱って、いわば、ゴムが古びた状態なのかもしれない。
そのせいかどうか、あまり物事に悩まなくなった。悩むべき事柄も忘れてしまうらしい。そんなもん、わし、シランケンシュタインで済んでしまう。
先日、五十歳になった人と話をしていて、「昔、『五十になると(精神的に)楽よー』と言われたことがあるけど、なってみると、ホント、楽よ」と聞いた。心強い限りである。
その楽さというのは、もしかすると、物忘れをする、面倒くさい物事が頭に残らなくなる、ということと関係があるのかもしれない。
ところで、わたしは今日、何を書こうとしていたのか。
わたしの名前は何だったか。七の次って、十だっけ?
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「今日の嘘八百」
嘘六百二十四 アメリカの大統領ってレーガンだっけ? ニクソンが辞めたのは覚えているんだけど。