「ビミョ〜」という言い回しがある。
「それ、何? どぶろく入りのケーキ? どう?」
「んー、ビミョ〜」
などというふうに使う。
私は、道行く人々からすれ違いざまに、しばしば「キミョ〜」と言われるのだが、それはここでは関係ない。
お寺では、「ドキョ〜」という言葉とともに、大勢の坊主がいっせいに合唱するのだが、それはもっと関係ない。
もとい。
「ビミョ〜」は、あまり輪郭のくっきりしたものには使わないようで、
「そのカツ丼大盛り、どうよ?」
「んー、ビミョ〜」
なんていうのは、どうも、しっくり来ない。
たとえば、Don Doko Donの山口智充についてはああだこうだ言いやすい。カツ丼的だ。
しかし、相方のほう(名前が覚えられない――というか、覚える気にならない)は、たぶん、「ビミョ〜」で片づけられてしまう。あるいは、その相方に似た、ドラゴンズの川相もまた。
昨日、2000本安打を放った古田はいろんな点でアッパレな男だが、そのいとこが大木凡人であるという事実は「ビミョ〜」だ。
たぶん、元々は、どっちとも判断のつけにくい、ギリギリの線にあるものを「ビミョ〜」と言っていたのだと思う。
しかし、今では、やや悪い印象を持っているのだけれども、あからさまにそう言いたくないときとか、あるいは単にその話題を流したいときにも使われる。
「ビミョ〜」の使い方自体が、ビミョ〜になっているのだ。
思ったより、長くなりそうなので、ここで一息入れましょう。