みにくいアヒルの子

みにくいアヒルの子」というアンデルセンの有名な童話がある。


 主人公はこんな感じの子である。



 違う。これは見にくいアヒルの子だ。


 ストーリーは、確か、アヒルのヒナの中に一羽だけ醜いのが混じっていて、いじめられる。
 悲しい、悲しいと泣きながら成長してみたら、実は、アッパレ、白鳥であった。アヒルのミナサン、ザマーミロ、という、世間の裏の裏を行く話であったと思う。


 今、この話、PTA的にはどう捉えられているのだろう。


 いじめを助長するとか、もしかしてそういう話になっているんではないか。知らんけど。


 わたしはどうもこの話、納得いかない。


 いや、可哀想だとか、醜いと言うのはいけないとか、そういうことではなくて、白鳥ってそんなに美しいか? ということである。


 きゃつら、たいてい、薄汚れているし、あの長いへん曲がったクビが、どうもびーへー(蛇)を思わせていけない。
 確か、山下洋輔が、あれはかつて爬虫類であった暗い過去を引きずっている、と書いていたと思うが、オータドウカンである。


 熊川哲也でないわたしとしては、実は白鳥だったらそれでいいのか、と言いたい。だいたい、アヒルのミナサンに失礼であろう。



 一瞬の隙を突いて、ひさしぶりによしををしたためてみたが、まあ、そういうことである。


 なお、実際の白鳥のヒナはなかなかに可愛らしい。成長するにつれ、ダメになっていくという点で、人間と同じである。

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「今日の嘘八百」


嘘七百二十二 友人の家庭では、予備選で勝利したヒラリー・クリントンの顔が大画面テレビに映るたびに、子ども達がひきつけを起こすという。