ロイヤリティ

 マーケティング方面の言葉に「ブランドロイヤリティ」という言葉があって、目にするといつも釈然としない心持ちになる。

 ロイヤリティは「Loyalty」。忠誠、忠実といったような意味。例えば、サイトでブランドにまつわるさまざまなストーリーを紹介したり、限定サービスを提供したりすることで「ユーザーのブランドロイヤリティの向上を図る」なんていう言い方をする。

 研究社の英和辞典にはこうある。

Loyalty n 忠義, 忠節; 忠実, 誠実; [。pl]忠誠心, 忠誠の義務, 義理: divided loyalties 引き裂かれた忠誠心(相対立する二者への忠誠心). [OF]

 ユーザーがなんでブランドなんぞに忠誠を誓わねばならんのかと思う。しかも、何やら施策をして、ブランドへの忠誠度を向上させるというのだ。傲慢に過ぎやしないか。

 ほとんどのマーケティング用語がそうであるように、ブランドロイヤリティという言葉は、アメリカから入ってきたのだろう。アメリカでの言葉のニュアンスはわからない。あくまで直訳的に捉えたときだけれども、ブランド側がエラソーに構えすぎているようで、気に入らない。

 あえて訳すなら、ブランドへの「ご愛顧度」くらいのことなのだろう。それでいいじゃないかと思うのだが、まあ、例によって外来語だとリッパに見せかけられるということなんだと思う。



「Loyalty」