最初に書いておくと、わたしは亀田興毅には特に興味がなかったし、ボクシング自体、何年もの間、興味がなかった。
亀田の試合も昨日、初めて見た。浪花節の闘拳とかいうニックネームも初めて知ったくらいだ。
中継したTBSには、試合前は「いつ試合が始まるのか」、試合後は「判定がおかしいのではないか」という苦情の電話が殺到したそうだ。
まあ、確かに試合開始まで番組を引っ張りすぎである。
わたしは、テレビ局がああいうふうにドラマチックにまとめる「人生・感動ストーリー」にはうんざりしている。
しかし、好きな人もいるだろう。もっと要領よく、もっと（少なくとも表面上は）ドライに演出すればいいのに、と思う。
あれでは、感動ストーリー好きの人も、いい加減、嫌になるだろう。
「判定がおかしいのではないか」という苦情は、まあ、TBSとしては「うちに持ってこられても……」というところだろう（追記：うーん、そうでもないのかな、実は）。番組を引っ張りすぎた罰かもしれない。
しかし、少し斜に構えた見方だが、試合自体はボクシングのいろんな面が見えて面白かったのではないか。スカーンと派手な試合を期待した人は、がっかりだったろうが。
思いつくままに書くと、
・若くて戦歴も少ないうちにあれだけの大舞台に立つと、さすがに地に足が着かない。
・事前にいくらパフォーマンスしても、テレビ局が演出しても、いちボクサーとしての姿は試合で見えてしまう。
・ガードをひたすら固めても、パンチを放った後に隙ができれば、やられる。
・コンビネーションを使った駆け引きができなければ、試合は苦しくなる。
・駆け引きには、前後左右上下の動きが含まれる。
・あのスタイルの場合、ただひたすら前に圧力をかけて、相手を身動きできないロープ際に追いつめるのが最善である。
・興業するのは所属ジムであるモゴモゴモゴ。
テレビ局は今回の試合で、煽りすぎのしっぺ返しを食らったろう。防衛戦は、試合前数日も含めて、もっと醒めたプログラムを組むはずだ。
亀田はそのときにいいボクシングをすれば、それでいいと思う。
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「今日の嘘八百」
嘘二百四 ジョニー・デップには実は素顔がない。
