昔、もう十数年前になるだろうか、北欧に行ったとき、面白い発見をした。
北欧のファッションの広告には、ラテン系のモデルが圧倒的に多いのだ。
わたしは、金髪白肌の国に来たと思っていたから、なんで広告はラテン系ばかりなのだ?!、と不思議に思った。
しかし、北欧の人々の立場に立って考えてみれば、まわりは金髪白肌の人ばかりなのであった。全然珍しくない。
もちろん、その中にもカッチョいい人、カッチョ悪い人はいる。モデルになる人もいるだろう。
しかし、「落差」というファッションの魔術をかけるには、北欧では、金髪白肌と全然違うタイプの人を連れてくるのが手っ取り早いのであった。
「金髪白肌とは全然違うタイプ」と言っても、黒髪黄肌のわたしがモテモテになったわけではない。
やっぱり、全然違うタイプなりにカッチョいい人でないと、向こうとしても受け入れがたいようだった。
ファッションは、たぶん、ハマれば面白いゲームなのだろう。
しかし、ここでわたしは、あえて世の、ジローラモさんからはくちょう座61番星である男達に言いたい。
目を覚ませ、と。
わたしは、将棋の羽生善治氏に似ている。
頭の中味や精神力、勝負根性は全然似ていないけれども、風貌は自分でも笑っちゃうほど似ている。歩く羽生名人と呼ばれているくらいである。
だから、羽生善治氏がカッチョよく見えるファッションがあれば、たぶん、わたしもカッチョよく見えるはずだ。
しかし、羽生善治氏がカッチョよく見えるファッションの写真や映像を、見たことがないのである。
残念である。無念である。
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「今日の嘘八百」
嘘百四十五 これからはモテモテ、ムチムチのカッチョよさを目指します。