国産信仰

 今朝の朝日新聞から。


 「香川県産小麦100%」をうたって香川県農協が販売した讃岐うどんに、豪州産小麦が80%使われていたそうだ。


 「それはけしからん」と、私は怒り狂った。


 ……わけではなくて、不正表示については関係各方面が、勝手に然るべく処置していただきたい。わけのわからん日本語だが。


 この商品には、本来、「さぬきの夢2000」という香川県産小麦を100%使うことになっていたそうだ。
 業者は「さぬきの夢2000は慎重に扱わないとすぐ切れてしまうので、豪州産を混ぜて切れにくくした」と話しているという。


 あまり食べ物のことには詳しくないのだが、讃岐うどんはコシの強さがひとつの売りじゃなかったっけ(違っていたら、ご指摘いただきたい)。
 だとしたら、この業者の工夫、企業努力、結構なことじゃないか。


 日本には、食べ物の原材料について、国産信仰がある。「国産○○」と書くと、それだけで一種のブランド化する。


 ちゃんとした理由のあるものもあるだろう。
 たとえば、和牛は、大量生産では米国産や豪州産にかなわないからと、少数高級化に進んだようだ。


 霜降れ、霜降れ、母さんが、ナァタで屠殺だ、うれしいな。ピーチピーチ、ジャブジャブ、ランランラン♪


 我ながら、これはひどい。血まみれになってピチピチジャブジャブしてはいけない。


 えーと、国産牛にはうまいものが多いから、国産信仰はわかる。


 魚も、近海ものがうまいとされる(魚の種類にもよるのかもしれないが、よく知らない)。
 陸地から流れ出る養分とか、潮の流れとかも関係するのだろうか。
 あるいは、近海=うまい、という先入観も作用するかもしれない。


 しかし、豪州産小麦だろうがなんだろうが、うどんがうまくなるんなら、それでいいじゃないか、と思うのだ。国産でも、ブチブチ切れやすくちゃねえ。


 逆に、クルマや装飾品、洋服に対しては、舶来品信仰が強いようである。
 江戸時代までに元々あったか、明治以降に入ってきたかが、分かれ目なのだろうか。