昨日、自転車で渋谷の明治通りを走っていたら、デモに出くわした。
黄色いお揃いの服を着て、「福島県教職員組合」と書いたたすきをかけていた。炎天下、だいぶ疲れているのか、シュプレヒコールの声も弱々しい。メガホンで呼びかけるおばはん(たぶん)の声だけが張り切っていた。
「原発反対!」
「げんぱつはんたい」
「福島返せ!」
「ふくしまかえせ」
「大飯原発再稼働反対!」
「おおいげんぱつさいかどうはんたい」
「電力料金値上げ反対!」
「でんりょくりょうきんねあげはんたい」
誰にどうしろと言うのだろうか。言っている内容は「私は不満なので、誰かどうにかしなさい」ということでしかなく、本人達は気づいていないのだろうが、わめく幼児とありようは変わらない。おれ自身が少々疲れていたこともあって、聞いていて、腹が立ってきた。
今の時代、デモにどのくらい効果があるのだろう。せいぜいのところ、当事者の「何かしなければならない」という焦燥感を解消するくらいで、ジョン・レノンの「イマジン」を大勢で歌って「平和のために何かした」と勘違いするのと変わりがないんでないか(そういえば、反原発の運動と平和運動は行動の様式がよく似ているように思う。別の事柄なのになぜだろうか)。
炎天の明治通りには人通りも少なく、張り切ったおばはん(たぶん)の声ばかりが響くのであった。