隣の区で区議会選挙があるせいで、選挙カーが近くを走り回っている。
ただただ名前をわめき散らすばかりで、実にうるさい。
名前を連呼するのは、公職選挙法で、選挙カーでは連呼のみが許されるとされているからだそうだ。不思議な規定である。
候補者の側からすると、有権者に名前を刷り込んでしまおうというもくろみなのだろう。刷り込みによる投票ってなんなのだ。
なんとなく覚えている人に投票するというのは、間違いとは言わないが、そんなことでいいのか民主主義、と思う。
おれは選挙については割と直線的に考えていて、候補者の政策を評価して相対的に上と判断した人に投票するのがよいと考えている。
しかるに、今の選挙は選挙カーのわめき散らしやポスターの作り笑いと一言コピー(「実行力。」とか「改革断行。」とか「若さでチャレンジ。」とかどうでもいいものばかりだ)で名前を覚えてもらい、書いてもらう、という、低レベルな行為がまかり通っている。
選挙公報をちゃんと読めば、誰が何をしようとしているのか、よさそうなのか、だめそうなのかは大体わかる。
公職選挙法は選挙カーのルールを定めるより、禁止したほうがよかろうと思う。安倍元首相が撃たれたとき、「民主主義の危機だ!」とあわてたことを言い出す人がいたが(まったくそうは思えない)、選挙カーを放置していることのほうがよっぽど民主主義の危機だと思う。