興奮した議論

 安倍元首相が銃撃されて亡くなった。衝撃的ニュースである。

 こういうことが起きると、興奮してあれやこれやと議論する人が大勢出てくる。そうしたい気持ちも、まあ、わかる。興奮すると何かしないでいられなくなるのだろう。

 では、そうした論説なり議論なりが的を得ているかというと、なかなかそうはいかず、極論や単純化や乱暴な話が多い。

 日本の政治家が襲撃された事件のリストを見てみる。

 

過去には現役首相暗殺も 国内の主な政治家襲撃事件 - 産経ニュース

 

 政治家が襲われたことは過去にもあった。平均すると、5、6年に一度というところか。それほどは多くないという印象だ。今回の安倍元首相襲撃事件は長崎市長銃撃事件以来、15年ぶりである。

 今回の事件についていうと、容疑者の供述した動機はわかったようなわからないような、である。

 

安倍氏銃撃、特定の団体に恨みと容疑者供述 県警が銃数丁押収 | ロイター

 

 容疑者の言葉の通りとすれば、政治的主張や企図も、利害関係もなさそうで、かなり特殊なケースなのではないか。テロとか民主主義云々とはあまり関係なさそうに見える。

 興奮した議論は後々、あんまり役に立たないことが多い。