TOKYO OJ 2020

 政府方面では東京オリンピックを強行しそうで、困ったことである。

 おれはあまりお祭りごとが好きではない。町のお祭りには参加しないし、わざわざ見に行くこともしない。誕生日を祝わないし、クリスマスも祝わない(クリスチャンでないのだから当然である)。一年のうちで祝うといえば、お正月だけである。

 そんな具合だから、オリンピックのお祭り騒ぎも興味がない。やかましいなー、といつも思うし、東京オリンピックについてははっきり言って迷惑である。

 スポーツに興味がないわけではなく、サッカーのワールドカップラグビーのワールドカップは好きである。しかし、オリンピックのサッカーははっきり言って中途半端だし、世界最高峰の大会としてはヨーロッパのチャンピオンズリーグとワールドカップがあればそれでよいと思っている。オリンピックのサッカーやテニス、バスケットボールはIOCがお金になるスポーツを自分たちの領分に引っ張り込んだというだけであって、選手にとっても、オリンピックの金メダルとたとえばサッカー・ワールドカップ優勝のどちらがうれしいかと言われれば、ほぼ100%ワールドカップ優勝だろう。

 オリンピックを楽しみにする人の多くは、もちろん、スポーツ好きもいるだろうけど、あの高揚感を味わいたいのだろう。しかし、このコロナ騒ぎのなか、オリンピックを開いたところで、高揚感より不安感のほうが大きくなりそうだ。高揚感がないなら、感染増加の危険をおかしてまでなぜオリンピックをやる必要があるのか、と思う。

 政府方面や企業方面についてはよく知らないが、想像するに、ことここに至ってはお金や体面やなんだで、今さら後にひけない、といったところではないか。

 そういう意味では、TOKYO 2020なんて言い方はやめて、TOKYO OJ 2020またはTOKYO SRK 2020とでも呼んではどうかと思う。東京おとなの事情オリンピック、東京シラケオリンピックである。

 もし東京オリンピックをやることにメリットがあるとしたら、その後数十年間はオリンピックなんぞ地元でやらずに済むことだとおれは思っている。いらない。