アニメの癖

 災厄のときになると災厄の映画を見たくなるものなのか、Netflixでアニメ「アキラ」の人気が高まっているそうだ。

 おれは日本のアニメが苦手なせいもあって、今まで見たことがなかった。アニメだから、という理由で敬遠していたところもある。

 原作の漫画は好きである。

 昨日、食わず嫌いかもしれないな、と思って、見始めた。そして・・・やはりダメだった。開始3分で消してしまった。

 ファンの方には申し訳ない。自分が好きなものにケチをつけられると嫌だろう。まあ、しかし、おれの感じ方だ。仕方がない。

 おれは日本のアニメが苦手なのは、セリフまわしのせいもある。たとえば、「アキラ」の冒頭シーン(しか見てないのだが)で、夜の街にバイクで繰り出す金田たち不良少年のセリフ。

 

 

「そんなのに乗ってるほうが気が知れねえぜ」

「乗れるさ」

「ハハッ 欲しけりゃな お前もデカいのぶん取りな」

 

 

 文字で読むと特に違和感はないだろう。しかし、声で聞くと変な感じなのである。いかにも「書かれた言葉」を「話しているふうに見せ(聞かせ?)かけよう」というふうなのだ。

 声優たちが下手ということではないと思う。おれは自分からアニメを見ることはほとんどないけれども、ふと目に入ってくる他のアニメのセリフまわしも同じように「書かれた言葉」を「話しているふうに見せ(聞かせ?)かけよう」としているようにおれには聞こえる。

 外国の声優は知らないし、ニュアンスを感じ取るだけの外国語能力も持ち合わせていないので日本の声優についてだけ書くけれども、声優には声優の変な癖のようなものがあるように思う。おそらく、それは延々と培われてきて、その中で暮している人たちが普通に感じている「話し方」なのだと思う。

 そして、おれはそれに違和感を覚える。

 あとは、日本のアニメの大げさな誇張も苦手だ。宮崎駿の作品が典型的である。もう20年くらい見てないから、今はどうだか知らないけど。

 やはり、苦手なものには近づかないほうがよさそうだ。