池、沼、湖

 恒常的に水が広くたまっているところについて、日本語には池、沼、湖という言葉がある。このみっつの違いはなんなのか、急に気になった。

 池と湖の違いはまあ何となく面積の広さかな、と思う。あまり広くないところが池と呼ばれ、広いところが湖と呼ばれる。

 では、池と沼、あるいは湖と沼の違いはなんだろうか。千葉県にある印旗沼はかなり大きいが、印旗湖ではなくて印旗沼である。富士五湖の山中湖や河口湖は印旗沼よりも小さいが(もっとも印旗沼は二つに分かれているせいもあるが)、山中沼や川口沼ではない。

 あくまで印象だが、沼というのはどこか泥くさく、どんよりしたイメージがある。夜など不気味そうだ。一方の湖はさわやか、朝は起きぬけ、昼はきらきら、夜は月、とまあ、全体に印象が良い。諏訪湖は湖と表記されるから美しいイメージがあるのであって、あれが諏訪沼では観光客もよりつかないのではないか。

 沖縄の那覇にはその名も漫湖という言語道断の名称の湖がある。

 

漫湖へようこそ|Welcome to Manko Wetland | 漫湖水鳥・湿地センター

 

 先日行ってきたのだが、潅木に囲まれた泥くさい場所で、湖というより沼であった。もっとも、漫沼ではいっそう湿って、においまでしてきそうで、それはそれで困ったものである。