ジョナ・ロムーの葬儀

 昨晩は早く寝ようと思ったのだが、ふとしたきっかけでジョナ・ロムーの動画やら何やらを見出したら止まらなくなってしまった。
 ジョナ・ロムーニュージーランドラグビー選手である。90年代のオールブラックスラグビーニュージーランド代表)で大活躍した。おれはラグビーについて詳しくないが、おそらくラグビー界初めての世界的スーパースターだったのではないか。
 ロムーは身長196cm、体重120kgという巨体で、100mを10秒台で走る。怪物である。ポジションはWTB(ウィング・スリークォーター・バック)という後方サイド側のポジション。攻撃ではボールを受け取ると相手ゴール目指してサイドを一気に駆け抜ける役割だ。逆に守備ではトップスピードに乗った敵をタックルで止めなければならないことがしばしばある。
 今、「駆け抜ける」「止める」と書いたけれども、ロムーの場合は「ぶち抜く」「ぶっ飛ばす」と言ったほうがふさわしい。動画でそのプレーをご覧いただきたい。

 足の速さやパワーも圧倒的だが、全身これ闘志の姿が実に格好いい。
 ロムーは現役中から腎臓を患った。移植手術も行ったが、2015年に亡くなってしまった。まだ40歳だった。
 以下は、その葬儀の動画。ロムーの棺を、かつてのチームメイトやオールブラックスのOB達がハカで送る。ハカは元々マオリ族の戦士達が戦さの前に行う舞踊で、オールブラックスも試合前に相手チームを前にして舞う。

 おれは格別にロムーのファンだったわけではないけれども、このビデオを見るたびに震えてしまう。ジョナ・ロムーという最高の戦士を送るその姿にやられてしまう。「気持ち」とか「心」という言葉では表現できない。魂というものは確かにあると感じる。