日本恭順党

 日本共産党というのは、ついからかいたくなる政党である。
 自民党をからかうのは「政治風刺」のニオイがしてどうも嫌らしいし、民進党はからかってもしょうがない。社民党をからかうのは弱者をいじめるようで心持ちがよろしくない(福島瑞穂のピンクのスーツを見るたびにおれはなぜだか切ない気持ちになる)。
 その点、日本共産党はいい。「我こそが正義」という独善的態度もいいし、いかにも書生っぽいリクツで武装(隙だらけだが)するところもいい。いまだに綱領で「生産手段の社会化」、「経済の計画的な運営」なんぞと謳っているところなんぞたまらない(おれは日本共産党こそ、世界遺産に登録すべきだと思っている)。
 で、日本共産党に対抗して、こういう政党を作ってみてはどうかと思いついた。
「日本恭順党」。
「ニホンキョージュントー」。漢字にすると印象がちょっと違うけれども、音にすれば日本共産党とは「さ」と「じゅ」だけの違いだ。
 とにかく現状をどんどん受け入れてしまうのだ。少子高齢化社会、受け入れましょう。集団的自衛権、受け入れましょう。TPP、受け入れましょう。消費税増税、受け入れましょう。
 恭順こそが綱領だ。強い政党にすぐに従う。今なら、安倍政権にすんなり従う。次の選挙では「勝った政党に従います」を公約にする。国会での票の上乗せに利用できるから、あわよくば、あちこちの政党から選挙応援をしてもらえるかもしれない。
「お前らに自分なりの意見はないのか」と問われれば、もちろん、堂々とこう答える。「そんなものはありません」。
 日本恭順党の機関紙はもちろん、「白旗」である。