イノベーション万馬券必殺技

 自分で言うのも恥知らず、というか、恥そのものだが、おれは天の邪鬼で、多くの人が「あれがいい、あれがいい」と言うと、つい「ヘン、何がいいもんか、バーカ」と思いたくなる。己を勝手に高みに置いて、人を見下す快感を得たいという、つまりは卑怯者の手口なのだろう。
 最近では「イノベーション」という言葉に「バーカ」的態度をとっていて、「猫も杓子もイノベーションかよ。バーカ。バーカ」と思っている。もっとも、杓子にとってのイノベーションというのはどういうものか知りたい気はするが。
 イノベーションというのはそう簡単に起こせるものではないだろう。安易にイノベーションイノベーションと言う人を見ると、「万馬券狙いと何が違うのであろうか?」と思うのである。
 たとえば、首相官邸のサイトに、「イノベーション25戦略会議」なるページがある(→ここ) 。そこに書かれている文章の「イノベーション」を「万馬券」と書き換えてみよう。

万馬券25とは


万馬券25」とは、安倍政権の所信表明演説に盛り込まれた公約の1つで、2025年までを視野に入れた成長に貢献する万馬券のための長期的戦略指針のことです。
政府として「万馬券25」の策定を重点的に進めるため、万馬券担当大臣を設置して高市早苗内閣府特命担当大臣をこれにあてるとともに、内閣府に「万馬券25特命室」を設置しました。

 ワッハッハ。政府にとっての「イノベーション」の意味が浮き彫りになるではないか。
 あるいは、「新必殺技」と読み替えてもいい。

新必殺技25とは


「新必殺技25」とは、安倍政権の所信表明演説に盛り込まれた公約の1つで、2025年までを視野に入れた成長に貢献する新必殺技の創造のための長期的戦略指針のことです。
政府として「新必殺技25」の策定を重点的に進めるため、新必殺技担当大臣を設置して高市早苗内閣府特命担当大臣をこれにあてるとともに、内閣府に「新必殺技25特命室」を設置しました。

 今頃、新必殺技25特命室では、さまざまな新必殺技の試技が飛び交っているのであろう。見てみたい。あるいは、あくまで個人的な趣味だが、高市早苗新必殺技担当大臣の新必殺技はくらってみたい。
 おれ自身は、イノベーションなるものは成算を感じている企業なり個人なりが勝手に追い求めればいいのであって、政府がどうこうできるものではないし、政府が当てにするものでもないと思う。ほっとけ。そっちのほうがうまくいく。邪魔をするな。と思うのである。
 イノベーションに夢を見るな。おれたちの金を馬券にツっこむな。その金、おれによこせ。日経新春杯でイッパツ当ててやるぜ!