本当は凄いことわざ

 正月だからいろはがるたで諺というわけでもないが、考えてみれば凄いことを言っている諺というのがいくつかある。
 おれが以前から気に入っているのはこれである。

船頭多くして船、山に登る

 船頭がいっぱいいれば船だって山に登れるのだ。素晴らしいではないか。
 もちろん本来の意味は違う。が、馬鹿馬鹿しいので説明はしない。
 これはどうか。

二階から目薬

 やった人の意図は不明だが、おそらく目薬を効かすことが目的ではなく、技術的な挑戦なのであろう。アーチェリー競技が相手を殺すことを目的としていないのと同じである(のか?)。いずれはオリンピック競技になる日がくるかもしれない。

角を矯めて牛を殺す

 怪力である。大山倍達もびっくりである。

臍が茶を沸かす

 芸である。びっくり人間である。

律義者の子沢山

 これ、白状するとおれは皮肉なのだと思っていた。つまり、下ねたになって恐縮だが、奥さんに対して律儀に毎夜(か昼もか知らないが)励む人であると。しかし、本義は真面目な人は浮気しないから夫婦仲がよいという勧善の言葉なんだそうだ。本当かなァ。皮肉な目で見ていると思うんだけどなァ。
 下ねたついでに、諺をもじってみよう。一文字加えるだけで、随分と意味が変わるという一例だ。

月夜にお釜を抜かれる

 風流なような、災難なような。まあ、それがきっかけで新しい世界が開けることもあるかもしれない。
 おれがことわざもじりの最高傑作だと思っているのがこれ。サックス奏者の坂田明作。

弘法の筆おろし

 相変わらずいっこうにまとまらないが、エー、今年もよろしくお願いいたします。