ナルホドですねー

 人間の了見が狭いせいか、気になる言葉というのが時々ある。最近では、

「ナルホドですねー」

 というのがそうで、流行っているのかどうか知らないが、ここ半年ほどで複数人から耳にした。それも軽めの業種のコンサルタントあるいはそれに類する人々からで、コンサルタント言葉なのかどうかは知らないが、まあ、彼らの職種のスタンスに合ってはいる。どう合っているかというと、「あなたのおっしゃることは理解したし、私は業務としてそれについて考慮するにやぶさかではないが、最終的な責任についてはワシら知ランケンシュタイン」というニュアンスをこの8音節(あれ? 7音節かな)から感じるのだ。まあ、コンサルタントというのは、そういうスタンスでなければ成り立たない職種ではある。

「ナルホドですねー」

 しかしまあ、これを電話口でやられると、腹が立つほどではないが、小馬鹿にされた気がしないでもない。いっそ、少し語尾を変えたらどうかと思うのだ。

「ナルホドですなー」

「ね」を「な」に変えただけで、不思議な親しみやすさが感じられるではないか。

「ナルホドですわー」

 何かこう、工務店でパイプ椅子に座って、出された番茶を飲みながら世間話しているような安らぎがある。

「ナルホドですよー」

 どうやら語尾さえ変えればオッケーというものでもないらしい。小馬鹿どころか大馬鹿にされた気になる。「憮然」という言葉が似つかわしい。

「ナルホドですたいー」

 熊本あたりのコンサルタントはこういう言い方をしているのだろうか?