もう慣れてしまったが、今ひとつ不思議な表記法に「コンピュータ」というのがある。「コンピューター」ではなく、「コンピュータ」。
「サーバー」ではなく、「サーバ」なんてのもある。
JISの用語法として決まっているのだそうだ。技術用語はJISに従うのが無難であり、モノが世の中に広まるにしたがって「コンピュータ」、「サーバ」も広まったのだろう。
そんじゃ、「スニーカー」は「スニーカ」で、「サッカー」は「サッカ」で、憎いあのヤロは「マザ・ファッカ」(アメリカ黒人のスラングみたいだ)なのだろうか。そこんとこどうなんですかい、リチャード・アッテンボロ。
別に興奮することはないが、不思議な規定ではある。
一応、ルールはあるらしい。
→ 標準関係情報集 - FAQ - JIS Z 8301:1996 規格票の様式
これによると、
a)その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。
エレベータ(elevator)
b)その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。
カ一(car),カバ―(cover)
c)複合語は、それぞれの成分語について、上記a)又はb)を適用する。
モータカー(motor car)
d)上記a)〜c)による場合で、1)長音符号で書き表す音、2)はねる音、及び 3)つまる音は、それぞれ1音と認め、4)よう(拗)音は1音と認めない。
1)テーパ(taper)
2)ダンパ(damper)
3)ニッパ(nipper)
4)シャワー(shower)
もっとも、各用語については専門分野の学術用語に従う、ということになっていて、実際には曖昧である。
2音以下の場合、「ー」を付けるのは、たぶん、「カ」「カバ」ではさすがにナンだろう、ということだと思う。
いったん「−」を省くという表記法を始めたら、あちこち無理が出てきて、一応ルールを定めたらもっとムリムリになって、屋上屋を架してコマっている、ということではなかろうか。
昔々は印刷やコンピュータの容量の関係で、なるべく字数を少なくしたいという事情があり、これらの省略法ができた、と聞いたことがある。まあ、確かに「コンピュータ」で十分意味は通じるが。
なお、「データ」は「データ」でよい。「データー」は誤り、というか変。原語は「data」で音を伸ばさないからネ(ー)。