懸賞

 前にも書いた覚えがあるが、大相撲に懸賞というのがある。


 例の、取組前に呼び出しさんが旗を持って、土俵をぐるりとまわるやつだ。場内放送で、「味ひとすじ、永谷園」などとキャッチフレーズもアナウンスしてくれる。


 あれ、内容についてはどこまで許してもらえるのだろうか。


 日本相撲協会のサイトを見ると、1回あたり6万円、15回分90万円で申し込むらしい。
 場内放送だけでなく、取組表にも印刷されるという。


→ 懸賞について - 財団法人日本相撲協会


 力士が土俵にあがり、少しずつ気合いを高めていく。呼び出しさん達が懸賞の旗を持って土俵のまわりをぐるりと回る。


 場内放送が懸賞のキャッチフレーズを読み上げていく。


「味ひとすじ、永谷園。信頼と安心のブランド、ナントカ生命。微妙な味わい、清酒・前頭二枚目。おいしさと健康を食卓へ、ナントカ食品。ヨシコー、結婚してくれー、山田明」


 力士も行司も吹いちゃって、相撲にならないかもしれない。


 個人にとって90万円は高いが、婚約指輪にそのくらい出す人は多いだろう。何たって、アナタ、大相撲で15取組も、旗をまわして、放送してくれるのだ。
 全国の相撲ファンの熱い期待とプレッシャーを感じて、ヨシコさんもOKを出さないわけにはいかないだろう。


 ……と思って、先のサイトで懸賞申込書を見てみたら、「個人でのお申し込みはお断りいたします。」と書いてあった。


 ちっ。何だ、つまらねえ。

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「今日の嘘八百」


嘘七百三十四 知り合いのN君は、きれいに投げると「上手投げ」、へたっぴいに投げると「下手投げ」と書かれるのだと信じている。