日本でマラソンや駅伝の人気が高いのは、限界を超えてそれでも死力を尽くす姿を、日本人は好むだからだ、という説がある。
ゴールに飛び込んだ瞬間に倒れ込み、意識を失いそうなくらい辛そうだ。あるいは苦しさで顔を歪ませながら次の走者に必死にタスキを渡そうとする。そんな姿を見るのが好きなのだという。
当たっているかどうかはわからない。例によって、他の国の事情をよく知らないし。
が、無理して頑張ること自体に、過剰に価値を置く人が多い、とは思う。
そうでなければ、チャリティーと称して、60代のヘビースモーカーのタレントを24時間走らせる、なんていう無茶なテレビ番組がまかり通ることはないだろう。
であるならば、だ。
オリンピックの日本人選手達、競技が終わったらとりあえず倒れてみる、というのはどうだろう。
室伏は、最後のハンマーを投げた後、雄叫びをあげるのではなく、ああっ、と力ない声を漏らして、倒れ伏す。
北島は、200m泳いだ後でぶくぶくとプールに沈んでしまう。
体操の選手は、着地に失敗したら、両手を広げて、前に倒れ込む。
アーチェリーの選手も、的を外したら、とりあえず気絶してみる。
倒れた後で、軽く失禁してみせる、なんていうのもリアリティが増して、いいと思う。
たとえ成績がふるわなくとも、結構、許してもらえるのではないか。
しかし、カーリングの選手が、試合に負けた後、四人同時に白目を剥いて失神する、というのは、すぐにバレるからよしておいたほうがよいと思う。
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「今日の嘘八百」
嘘六百九 古代ローマのコロシアムでも、剣闘士の殺し合いを、観客全員泣きながら見ていたそうである。