代表引退

 yagianのところのコメント欄に書いたけれども(http://d.hatena.ne.jp/yagian/20060321)、ジダンのように代表引退を表明するサッカー選手の考え方は共感できる(ジダンは結局、代表に引きずり戻されたが)。


 彼らは必ずしも代表チームや国を軽視しているわけではないだろう。


 しかし、サッカーはハードなスポーツだ。
 体力の回復の早い若い頃はまだいいが、ベテランと言われる年齢になってくると、1年を通じてベストコンディションを維持するのは難しい。


 プロ・サッカー選手の目指すことは、己の持つ能力を最大限に発揮して、最高のプレーを見せ、チームに貢献することだろう。
 もし、クラブと代表を掛け持ちしたせいで、コンディションを保てず、どちらでも7のプレーしか見せられないとしたら、一方に専念して10のプレーを出すという選択はよくわかる。


 また、トップレベルのサッカー選手はクラブから高額の報酬を得ている。
 その報酬に見合うプレーをすることは、「契約」というものの基本的な考え方に沿っている。プロ選手の責任と言ってもいい。
 代表を辞退しても、クラブに対して報酬に見合うベスト・コンディションを提供する、というのは、ある意味、とてもプロらしいあり方だと思う。


 ただし、代表とクラブについては、地域によっても、だいぶ違いがありそうだ。


 クラブ・サッカーのレベルは、集金力、選手ともに、ヨーロッパが圧倒的に高い。
 そして、ヨーロッパ以外では、ヨーロッパのクラブの試合は、1日のいい時間に生中継では見られない。


 そうなると、スタジアムで観戦したり、生中継で見たりできる最高レベルの選手の試合は、代表の試合、ということになるだろう。
 選手は、最高の舞台で最高のプレーをすることを目指す。ヨーロッパ以外では、少なくとも今後しばらくは、代表チームが高い位置を占め続けると思われる。


 ヨーロッパの強豪クラブの試合を見ていると、戦術や、選手同士のお互いのプレーの理解度が、一時的に集合する代表チームとは格段に違う。
「こういうものが見られるなら、代表なんてどうでもいいではないか」と感じることがある。


 とか何とか言いながら、ワールドカップが始まれば、結局は楽しむんだろうけど。


 選手だって、行くまでは「うざってえなあ。体も重いし」と思っていたとしても、出場すれば、絶対に勝ちたい、相手をぶっつぶしてやる、と思うだろう。それは、トップレベルのスポーツ選手の本能のようなもだ。


 ところで、よく気になるのだが、代表選手に対する各国サッカー協会からの報酬ってどうなっているのだろうか。全くの無給なのか、スーパースターも駆け出しも同じ額の報酬をもらうのか、報酬の計算式のような何かの取り決めがあるのか。


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「今日の嘘八百」


嘘八十八 僕のやる気は80秒しかもたない。