ケツをまくる

「ケツまくって逃げる」という言い回しがある。江戸時代の町人が、走るとき、着物を尻からげにしたところから来た表現なのだろう。

 洋装が普通になった現代では、なかなか実行しにくい格好である。

 男がケツをまくって逃げようとするとズボンをおろさねばならず、そのまま変態および警察方面に直行である。

「水着の女性がケツまくって逃げる」はどうか。大変に面白い光景であるには違いないが、これまた公序良俗の問題がある。

「寒空の下、帰宅途中の制服姿の女子高生たちがケツまくって逃げた」。壮観である。青春である。

 おれは、そこに夕日が差してほしいと願っている。

 

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「夕焼け」 (c) Σ64