鹿児島弁

 残念ながら鹿児島に行ったことがなく、今の鹿児島弁がどういうものか知らない。
 その一方で、幕末から明治維新を扱った時代劇や時代小説はたくさんあるから、おれの中での鹿児島の言葉はドラマや小説で西郷さんが使うようなもの、薩摩弁というか、いっそ西郷弁とでも呼ぶべきものになっている。
「おいもそんこっは一晩よーく考げたじゃっどん、一蔵どんのゆっこっも一理あると思うでごわんど」とかなんとか、そんなふうで、今の鹿児島の人がそんな言い方するのかどうかは知っもはん。
 時代劇の薩摩弁では「誰々さん」のことを「誰々どん」と言う(よく知らないが、「さん」より「どん」のほうが親しい感じかもしれない)。「西郷(せご)どん」とか、さっき出た「(大久保)一蔵どん」とかだ。
 では、「どんぐりさん」のことを鹿児島では「どんぐりどん」と言うのだろうか。たとえば、幼稚園児を公園に連れてきた保母さんがどんぐりを発見したとき、東京なら「ほら、どんぐりさんだよお」と幼稚園児たちに言うところを、鹿児島では「ほら、どんぐりどんでごわす」などというふうに。
 あるいは、「ドン小西さん」は「ドン小西どん」なのだろうか。
 ご存知の方は・・・教えていただかなくても大丈夫。こういうことをひとり考えて笑っているのがおれは好きなんである。

サーヤさぁ