ひるまちよるまち

 秋祭りの季節で、東京の住宅街でもドンドコドンドコ、ワッショイワッショイと賑やかである。

 一方で、夜勤の看護婦さんやコンビニ店員は昼間、やかましくて眠れたものではないだろうなー、と思う。

 時々、近くの保育園がうるさいとか、寺の鐘がうるさいとか、常識外のクレームが話題になることがある。夜勤の人たちがクレームしているのかどうかは知らないけれども、勤務事情のせいで「うるさいなあ」と感じる人が出るのも無理はないと一方では思う。

 世の中、24時間化の方向に向かっているのは間違いない。病院や24時間営業のチェーン店ばかりでなく、これだけグローバル化してくれば、海外とのやりとり(たとえば、海外担当のディーラーなど)で夜働かなければならない人が増えてきているはずだ。あるいは、サーバー管理者とか、ネットワーク管理者とかもそう。そういう人たちは昼間寝ることになるから、ドンドコドンドコワーワーワーはかなわんだろうなー。

 それでふと思いついたんだが、いっそ、住宅区を2つに分けて、昼町と夜町をつくったらどうだろう。昼町は昼間に起きている人たちの住む場所。夜町は夜起きている人たちの住む場所。昼人間と夜人間。お互い心安らかに暮らせるんじゃなかろうか。

 そうして、幾星霜。昼町に住む人が親となって、昼の子が生まれ育つ。夜町に住む人が親となって、夜の子が生まれ育つ。学校に行き出す。働き出す。そうして、昼の子と夜の子がふとしたことで出会って、お定まりの恋に落ちる。しかし、会えるのは朝と宵の口だけ。短い逢瀬は刹那的。

 とまあ、そんな小説、おれには才能がないから、誰か書いてくれ。