駐輪禁止

 おれの住んでいる町には商店街があって、なかなか流行っている。人通りが多い。
 商店街と直角に交わる通りは駐輪禁止なのだが、構わずに多くの自転車がとまっている。駐輪場もないことはないのだが、ちょっと不便なところにあり、ふらっと来る人たちは商店街の脇にとめるようである。
 で、ですね。この商店街の脇のところに、少し前から「駐輪禁止」と書かれた三角コーンにロープが結びつけられるようになったのだ。どうやら区か警察が「ええーい、ここは駐輪禁止と最前から申しておるではないか。町人の分際で、この不埒者めらが!」と強権発動したらしい。
 でもって、この三角コーン&ロープと店舗の壁の間が6、70cmくらいなのだ。そこの間は人が歩けるでもなし、ただ空いている。
 6、70cmあれば、斜めに自転車を並べられる。多少はみ出たり、出し入れのとき人の邪魔になるかもしれないが、それほど大きな問題とは思えない。どういうことだろうか。
 まあ、消防車や何かが通るとき、自転車がはみ出ていると邪魔、三角コーンならすぐにどけられるということかもしれない。しかし、自転車は三角コーンの切れたところから並んでいるから、どのみち、消防車は簡単には通れそうにない。混んでいるときなんぞ、三角コーンとロープの前に自転車が並び、かえって道が狭くなってしまっている。
 役所の思惑通りにはなかなかいかない。説教したって、スズメは電線にとまるのだ。うまくいかないものですにィ。