エスカレーターの習慣

 先週の金土日と大阪、京都に行っていた。
 東京から大阪に行った人はしばしば「あや?」と感じると思うが、エスカレーターの列の並び方が、東京と大阪では反対である。東京では左に並んで、右は歩く人のために空けておく。ところが、大阪では右に並び、左は歩く人のために空けておく。大阪に行って、うっかり左に立つと、後ろから来た人に邪魔そうに避けられたりする。
 不思議なのは京都で、大阪に近いのに、立つ人は左、歩く人は右である。京都に住んで大阪で働いている人や、その逆の人はどういう感覚なのだろう。無意識のうちに使い分け(立ち分け?)しているのだろうか。
 あるいは、大阪は右に立ち、京都は左に立つ習慣とすると、中間地点ではどうなるのだろう。エスカレーター文化の分水嶺はどこか。府境の山崎あたりだろうか。そうだとすると、さすが、秀吉・光秀の天下分け目の地である。自分で書いておいて、何が「さすが」なんだかよくわからないが。
 大阪駅から順に各駅のエスカレーターをのぼりおりするのも面白いかもしれない。ある駅までは右に人が立つのに、隣の駅からは左に立つようになるんだろうか。今、素早く地図を見てみると、東海道線なら山崎駅、阪急線なら大山崎駅京阪線なら橋本駅あたりが府境で怪しい。左並び文化圏と右並び文化圏の勢力争いが起きそうな場所だ。
 山崎駅では、案外とエスカレーターの真ん中に人が立ったりして。