クリスマスと信仰

 12月に入って繁華街はどこもクリスマス気分である。
 クリスマスが近づいてから興ざめなことを書くのもなんなので今の時期に書くけれども、キリスト教を信じていない人たちがクリスマスを祝うことを、クリスチャンはどう感じているのだろうか。
 おれ自身は実家が浄土真宗だし、個人的にはお不動様を信仰しているから、クリスマスを祝うことはない。信じてもいないのに「メリー・クリスマス!」などと言うのはキリスト様に対して不遜というか、失礼なふうに感じている。まあ、細かく言うと、「キリスト様」と呼んだ時点で存在を認め、信仰が混じっていることになるので、ややこしいのだが。
 クリスチャンといっても、おそらく感じ方、考え方はバラバラだろう。「信じてもいないのに、不敬である」と思う人もいれば、「しょうがないね」とため息をつく人もいる。「まあ、お祝いだからいいんじゃないか」と思う人もいれば、「これは神の計画の一部である」とか、「これがきっかけになって、いずれキリスト様を信仰するようになってくれればいい」と考える人もいる。まあ、そんなところだろうか。
 それにしても、このお祭り好きというか、イベント好きの風潮というのは何なのだろうか。単純に「誰かに乗っけられて」とだけでは片付けられないものがあるように思う。おれの会社は六本木にあるのだが、少し前のハロウィンの夜の六本木の馬鹿騒ぎぶりといったらなかった。この勢いだと、いずれ復活祭や感謝祭、放っておくとラマダーンまでやり始めるかもしれない。やらないか。
 おれ自身は宗教行事について、世の中、もう少し謙虚になったほうがいいんじゃないかと考えている。神や宗教的存在についておれはほとんど何も知らないし、理解する能力もないが、不敬、不遜であり、信心というものに対して尊重の念が足りないようには感じる。