体内共生説

 相変わらずアホなことばかり考えている。
 少し前に腸の蠕動運動について書いた。

id:yinamoto:20140614

 それでふと思ったのだが、人間の臓器それぞれが、実は別の生物であると考えたらどうなるだろう。つまり、脳、心臓、肺、自律神経、胃、腸、肝臓、胆のう、膵臓、精巣、腎臓、等々が実は別の生き物であり、それらが生物学で言う相利共生(植物と根っこについている菌が互いに有用物を渡し合っているような関係)しつつ進化して、今に至っているのだとしたら。
 脳、心臓、肺、自律神経、胃、腸、肝臓、胆のう、膵臓、精巣、腎臓、等々は互いに寄生しあい、栄養物や指示を交換し、あまりにうまく密着して進化してきたので、今では別々に生きることができなくなった、と、そう考えたらどうだろう。
 例えば、細胞内で酸素呼吸を担当しているミトコンドリアは元々独立した存在で、真核細胞と共生することによって、今では真核細胞と不可分の存在となったらしい。そんな関係をスケールアップして、人体で考えたら、と、まあ、そんなアホな思いつきに至ったわけだ。
 もちろん、各種臓器や神経(の原型)が昔々独立して生きていたという証拠なんぞまずないだろうから、あくまで想像上の話でしかないのだが。
 さらに思考をSF的に(つまりハチャメチャ方面に)進めると、それぞれの臓器が核戦争か特殊な伝染病か知らないが、何らかの理由で独立しだしたらどんな光景が見られるだろう。筋肉や血液系組織、呼吸システムなど、最低限必要な機能はウィルスだか寄生小型生物だかの働きで(いい加減だなー)それぞれが獲得する。そうすると蠢いて泥水をすする胃、それを後ろから襲いかかって飲み込む腸、にさらにへちゃりと吸着して栄養をむにゅむにゅ吸い取る肝臓・・・などと、実にグロテスクな、見たくないけど見てみたいおぞましい世界が現出するではないか。
 まあ、各臓器独立世界はさすがにちょっと飛躍というか無理が過ぎるが、人体は、実は大脳神経系統の器官と、自律神経系統(脳幹神経系統と呼んでいいのだろうか?)の器官が共生しているのだという考え方はできそうな気がする。実は別の意志(我々の認識は主に脳神経系統のものだけなのだが)で動いているふたつのシステムが、時に競合しながらも共生、共進化している。そう考えると人間、あるいは脊椎動物をちょっと別の見方で眺められるような気がする。
 アホですんません。