遺言状

 別に死ぬつもりも予定もないのだが、遺言状を書いてみようと思い立った。常に覚悟をもって事に当たるというのは、名僧や、あの人もこの人も大好きな「サムライ」とやらみたいで(e)(カッコいー)からだ。
 遺言状と言えば、まずは遺産の処理について書かずばなるまい。おれの場合、これは前からどうするか決めている。

・残った貯金でロシアから北方領土を買ってほしい。
・余ったらついでに樺太も買っておけ。

 交渉については外務省はあんまり当てにならんようだから、鈴木宗男さんに一任する。
 たぶん、樺太を買ってもいくらか余るだろうから、それについてはこうしてほしい。あの虫酸の走るような夢とウソと欺瞞の一角を日本の地図から消去するのだ。

・浦安のディズニーランドを買い取って(岡本)太郎ランドに作り替えてほしい。

 どのようなアトラクションにするといいかは皆さんに任せるが、とりあえず鉛色を背景に巨大な歯車がガシガシ回る感じかしら。夜、色とりどりの光に包まれて大勢の岡本太郎が踊りだすパレードは相当に盛り上がると思う。
 物的資産については、土地だの家だのは持っていないから(気楽である)、考えなきゃいかんとすれば遺品をどうするかくらいだろうか。

・蔵書は全てBook Offへ。
・家具は全て廃品回収へ。
・電化製品は全て不法投棄へ。

 最初でかく出た割にはスケールダウンしてしまった感が否めないが……。
 遺灰は海に散骨、なんていう手もあるが、どうもスカしていてイヤである。やはり、墓は作っておきたい。青山墓地がカラッとしていて好きなんだが、ここはあえて横浜の外人墓地に埋めてもらうことにしよう。なぜなら、人間はこの世を外人として生き、死という旅路の果てに生まれ故郷へと帰るからだ(くぅ、なんだかわからんがカッコいいぜ)。
 そして、墓にはこう刻んでほしい。

ペロの墓