水色の水ってあるんだろうか

 相変わらずどうでもいいことなんだが、水色の服を見ていてふと「水色の水ってあるんだろうか」と考えた。
 空色という言い方はわかる。今日なんかも東京は晴れていて、空は空色をしている。
 しかし、水色をしている水というのは思い出そうとしてもちょっと思い浮かばない。だいたい、水の色を青系統で語るのからして少々疑問で、海の色は青になるときもあるが、日本近海ではだいぶん濃い青色か、あるいは緑、灰色といったところだろう(赤潮もあるかな)。おれが生まれ育った北陸の海は、特にさわやかさに欠けた色であることが多い。
 まあ、水の透き通った南洋のほうなら時として水色に見えるときもあるのかもしれないが、一般にはそうはないだろう。かといって、川や池の水が水色になることもない。コップの水が見る色になることもない。なったとしたら、妙な化学物質が入っていそうで、飲まない方が身のためだろう。
 水色はなぜ水色と呼ぶのだろう。日本では絵でしばしば太陽が赤色に塗られるのと同じく、不可思議な固定概念があるように思う。だからといって誰も困らないけど。