自転車車道走行問題について

 自転車は原則車道を走るように、警察が取り締まりを強化するという。そもそも法律上、自転車は車道を走ることになっており、歩道を走るのは本来、例外措置だから、法律上の原則に戻すということらしい。
 しかし、これ、よほど準備しないと、自転車がばんばかクルマにハネられることになりかねないとおれは思う。
 9月に新しい自転車を買った。これがなかなか軽くて走りやすい優れ物で、最近はそこらへんを走り回っている(やってることが、クルマを回すハツカネズミと変わらない)。基本的には車道を走ることにしているのだが、いろいろと危ない状況を目にする。
 基本的に自転車は車道の左端を走るのだが、路上駐車のクルマがあると当然ながら外にふくらむことになる。このとき、サインを送るどころか、後方を確認せずにひょいと車道の内側に出る自転車がとても多い。幸いながらまだ事故を目にしたことはないが、クルマやバイクの側からすると脇から急に出てくる自転車はさぞ恐ろしかろう。自転車の車道走行が励行され、今以上に多くの自転車が車道に出ることになったら、おそらく路上駐車の近くで多くの自転車事故が発生すると思う。
 信号無視や車道逆走(バカタレ!)も非常によく目にする。信号が赤でもヒューッと渡っていくのだ。自転車は何か特別な、この世の枠から解放された存在とでも思っているかのようだ。同じ道路を走っていて、あまりに傍若無人(傍ラニ人無キガ若シ)なので怒りを覚えるときもある。そういう馬鹿どもが多くの人に迷惑をかけ、自転車の評判を悪くしている。
 子供や老人の自転車は歩道を走ってよいことにするそうだが、他にも心配な人々がいる。オバハンをどうするか、だ。まあ、オバハンとひとくくりにするのもちょっとアレだが、あのママチャリ集団を大量に車道にばらまくのであろうか。ママチャリはスピードが遅い。ロードレーサーのようなスピードの出る自転車は、おそらく抜こうとするだろう。抜きにかかってふくらんだ瞬間にクルマが引っかける事故が増えるだろうことは容易に想像できる。
 おれも、歩道を走る自転車がしばしば歩行者に恐怖を与えていることはわかる。特に、とっさに反応の取れない老人や、ちょこまかする子供、乳母車を押している人々にとっては、横を鉄のかたまりがすり抜けるのは怖いだろう。しかし、一方で、今のままで自転車がいっせいに車道を走り始めると、悲惨な事故が増えるに違いないと思う。何しろ、相手は目方がトン・レベルの、数十km/hで飛ばしているクルマである。骨砕け、肉ちぎれ、脳漿飛び散るぜ。どうすんべ。