宣言祭り

 広告方面でよく見かける言い回しに「〜宣言」と「〜祭り」というのがある。「3割値引き宣言」とか「オージービーフ祭り」とか、とりあえず付けておけばハレの感じがするのだろう。いささか安易な手法ではあるが、世の中にこれだけはびこっていることは、コピーとして実際に効果があるか、あるいは少なくとも、効果があると感じる担当者がたくさんいるということなのだろう。頭をひねらなくても、とりあえず「〜宣言」「〜祭り」と書いておけばいかにもコピーっぽく見えて、好都合なのだと思う。
「〜宣言」「〜祭り」の安易な景気づけ感は、いろんなものに「〜宣言」「〜祭り」と付けてみればわかる。たとえば、サラリーマンのオトーサンの

今日は飲みに行くからご飯はいらない宣言!

 なんていうのは、家へのただの連絡なのに勢いがつく。もっとも、それに対する奥さんからの

娘が話があるそうだからとっとと帰ってきなさい宣言!

 が出てくると、打ち負かされてしまうようだ。
「〜宣言」以上に景気づけ感の強いのが「〜祭り」で、たとえば、家庭の日曜のご飯で

ちらし寿司祭り

 なんていうのが出てくると、ただのちらし寿司なんだけど、大ごとの感じがする。

下着洗濯祭り

 となると、何だかわからんが大騒ぎである。

 しかしまあ、何でもかんでも「〜宣言」「〜祭り」と付ければいいかというとそういうわけでもなくて、

原発漏れ漏れ祭り

 なんていうのは「〜宣言」「〜祭り」のフザケタ感が丸出しになって、やはり関係各所および市民団体のほうからは苦情が来そうである。