新しもの好き

 どちらかというと新しいものに対して興味のあるほうではなく、冷めた目で見ているほうだと思う。

 携帯電話が普及しだしてからもしばらく持たなかったし、今もスマートホンをあまりほしいとは思わない。携帯電話のメールすら送られてきたら返信するくらいで、せいぜい月に何回か使う程度である。

 新しもの好きの人というのは、新しいものだと面白い、わくわくすると感じるのだろう。おれはだいたいの場合、「ふーん」というふうに思って、それっきりである。アップルの新しい何とか? ああ、まあ、いいんだろうねー、という具合だ。

イノベーション」という言葉がもてはやされるけれども、あんまり連呼されると、疑惑のマナザシで眺めてしまう。原発だって社会主義革命だって当時は随分なイノベーションだったろうサ、なんていう具合である。

 資本主義社会で仕事している以上、本当は新しもの好きのほうが好都合なんだろうが、興奮しないんだからしょうがない。そこらへんでのそのそしているのが性に合っている。人間が保守的というより単に無気力なのかもしれない。