文字通りに捉えてみると妙な言葉というのがいろいろあって、たとえば、「肌」というのがそうだ。「天才肌」ってどんな肌なんだろーなー、などと考えてみるのは無益でバカバカしくてよい。

 ふざけたチンピラが組の杯を受け、組長のタバコの火をつけるついでに手をすりすり撫でて、「なるほど、これが親分肌ですかー」と感心したら半殺しの目にあった、という有名な話が別になくて今作ったのだが、親分肌、見てみたい。あるいは職人肌というのはどんなだろう。なぜだかゴツゴツ節くれ立っている気がする。

 もちろん、天才肌、親分肌の「肌」というのはタイプとか気質のような意味であって、表皮の意味ではない。しかし、たとえば、先生肌とかサラリーマン肌という言い方はしない。肌がつくものとつかないもの、何が違うのだろうか。