言葉にすると(ある程度)本当になる

 言霊とはちょっと違うのだろうが、言葉にすると本当になるということはある。

 たとえば、「今日はブログに書くことを思いつかないな」とふと思うと、本当に全然ネタが思いつかなくなったりする。何となく気に入らない人がいて、「おれはあいつが嫌いだ」と自分で定義してしまうと、最初は何となくくらいだったのが、本当に嫌いに思えてくる。おそらくは逆のケースもあるのだろう。中学生の恋なんていうのはたいがいそういうふうなものではないかとも思う。知らんけど。

 まあ、言ってみれば自己暗示、自己催眠なのだが、この働き、なかなか軽く片付けられない面もあるようだ。心理学方面でも、一派を為すくらいになっているらしい。

オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)

オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)

 だいぶん昔に読んだ本だが、勉強になった。日本語訳の「オプティミストはなぜ成功するか」はいかにも売らんかなのタイトルで安い実用書風だが、内容は一般向けの心理学(の一部)の解説書である。自己暗示に始まる負のスパイラルによって鬱状態に落ち込んでいくプロセスなんかも書いてある。くよくよしがちな人はどうぞ。

 ちなみに、著者のセリグマン先生は、アメリカの心理学会の長だった人(今もかしら)。文章は噛み砕いていて、わかりやすい。

 基本的にオプチミスト(「おれならできる」というタイプの人。宝くじが当たると信じるような人とはちょっと違う)のほうが成功に至る確率は高いらしい。ただし、職業にもよるのであって、積乱雲を前にした旅客機のパイロットがあんまり楽観的なのも問題だそうだ。そりゃそうだろうなー。