時間感覚コントロール薬

 年をとると時間の経つのが早く感じられるというのは本当で、一週間がすぐに終わる。平日の期間がすぐに通り過ぎるから便利なようだが、土日もすぐに通り過ぎてまた月曜になり、情けない思いで会社に行かなければならないから、いいんだかどうだかよくわからない。

 このまま年を取って老人になったら、時間があっという間に過ぎるのだろうか。もしかすると、九十を過ぎた爺さんがよくぼーっとしているのは、目の前を通り過ぎる時間に茫然としているのではないか、などと考えたが、まあ、年を取るにつれてせっかちになる人というのもいるからどうだかわからない。

 時間が過ぎる感覚というのは、体のどこかに感覚器官があって、得ているのだろうか。全く知らないが、もしそういうものがあったとして、その働きをコントロールできる薬ができたらどうなるだろう。飲むと、時間がゆっくり過ぎるとか、あっという間に過ぎるとか。退屈な通勤電車なんかはさっさとやり過ごせてよいかもしれない。仕事時間もあっという間にやり過ごせるから便利だろうが、別に仕事自体が片付くわけではないので、あまり意味はない。というか、そもそも仕事を愛せよ、充実させよ? はいはいはいはい。

 時間感覚コントロール薬。SFか何かのアイデアに、誰か300円で売るヨ。それとも、もう誰か書いているかな。