子供達の儚いイメージ

 小学校に入る前くらいの近頃の子供を見ると、きれいな子供が多いなと思う。肌は色白できめ細かく、髪はつややかで細くきれいに揃っており(キューティクルという言葉を思い出す)、顔立ちも整っている。なんだか化粧品の広告みたいな言葉で語りたくなる感じで、文字通り、「垢抜けている」。衛生環境がよくなったことと、親が食べ物や風呂などで丁寧にケアしてあげていることが大きいのだろう。着ている服の印象もあるかもしれない。

 わたしが子供だった頃と比べて、高貴なふうもある。徳川幕府の将軍は時代を経るにつれて、あごが細くなり、細面の貴族顔になっていったと聞いたことがあるが、今の子供達からも似た印象を受ける。

 そのきれいさ、高貴さには一方でどこか儚い印象もある。これからもし世の中がひっくり返るような激変があって、物理的環境に荒々しさが戻り、そこら中ばい菌だらけの時代となったら、この子ら、生き延びられるのかしら……とも思うのだが、まあ、余計な心配というべきで、人の心配をする前に自分が生き延びる心配をしたほうがよさそうである。病弱である。それなのに、きれいでもなければ高貴でもない。てめえが儚い。