馬鹿による迷惑について

 今日は馬鹿と迷惑の問題について書く。

 京都は土地が平坦なせいか、自転車に乗っている人が多い。でもって、ワカゾーに多いのだが、携帯電話を操りながら自転車に乗る馬鹿にしばしば出くわす。

 危ねえ。馬鹿じゃないか。ではなくて、馬鹿である。歩行速度の三倍くらいで移動する車輪が二つきりの金属の塊にまたがって、片手離しで目の前の画面に集中しているのである。

 少し前に特級の馬鹿を見かけた。これまたワカゾー(♂)であったが、この馬鹿、両手離しで携帯電話を操っており、あろうことか、後ろに娘さん(悔しいことに可愛かった)を乗せて二人乗りしておった。危ないなんてもんじゃない。馬鹿野郎。即刻降りろ。ついでに娘さんを寄越せ。違うか。

 でまあ、こういう馬鹿どもが溝にはまろうとブロック塀に激突しようとダンプカーの下敷きになろうと知ったことではないが(いや、わしらの健康保険から治療費が支払われるのは納得いかんが)、問題は巻き込まれる人が出てくることである。不可抗力であっても、クルマで轢いた人は一生夢見が悪かろう。さらには、とっさに動きのとれないベビーカーに突っ込んでいく光景を想像してごらんよ。オソロシイぜ。

 もうひとつ、くわえタバコで町を歩く馬鹿、というのもいる。なぜだか粋がってみせている馬鹿も多い。口にくわえて歩くのはまだしも、歩きながら前後に振る指先に、火のついたタバコを挟んだりしおる。当然、タバコの火は外に向けられている。これは危ない。ナイフを手に持って前後に振りながら歩いているようなものである。悪いことには、火の位置が小さな子供の目の高さにあたる。子供の目を一生つぶす可能性について、ああいう馬鹿どもは考えたことがあるのだろうか(まあ、考えたことがないから馬鹿なのであろうが)。

 なんだかJTの「大人たばこ養成講座」みたいになってきたが、こういうことというのは「マナー」なんぞの問題ではないだろう。「人ごみの中で包丁を振り回しながら歩いてはイケマセン」「目隠しをしながら自転車で幼稚園児の列に突っ込んでいってはイケマセン」というのが「マナー」の問題ではないのと同じである。

 一方で、こういうことについて「行政は何をやっておるのか!」「法律で禁止しろ!」というご意見もあるのだろうが、それはそれでまた息苦しい。おれはできれば個々人を信じたいのだが、相手が馬鹿じゃあどうにもならんのかなあ。