ハカにラグビー日本代表が対抗するには

 おととい、ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)のハカについて書いた。

 くりかえしになるが、ハカはオールブラックスが国際試合のまえにおどる儀式である。

威圧的で、しかも大変にカッコよい。コーフン的である。相手チームは、目のまえでこれをやられたら、なかなか平静ではいられないのではないか。ビビった時点で、下手すれば勝負がついてしまいかねない。

 ハカは、もともとニュージーランドの先住民マオリ族の戦士の舞踏だったという。では、我がラグビー日本代表がこれに対抗するにはどういうものが考えられるだろう。いろいろ探してみた。

 まず最初に考えたのは、わが国の誇る、ラグビー以上の巨漢の肉弾戦。そう、大相撲の土俵入りである。

 横綱土俵入りは荘厳だが、あれは個人技(という言い方も変だが)である。集団でやるとなれば、幕内力士土俵入りのほうがふさわしいだろう。

 実際に見てみよう。

 ちょんと手を打って片手をあげ、まわしをつりあげてから万歳する。案外とあっさりしており、オールブラックスからすれば、「何デスカ、コレハ?」であろう。とてもハカには対抗できなさそうだ。残念ながら却下。

 では、わが国を代表する集団舞踏、「音頭」はどうか。

 これならハカを舞って気合が最高にたかまっているオールブラックスを、いきなり脱力させることが可能だ。中には浮かれて一緒に踊りだす選手まで出てくるかもしれない(現に、紹介したムービーはデュッセルドルフでのものらしいが、外人さんたちも浮かれて踊っている)。ただ、問題は、我が日本代表側も一緒に脱力してしまい、この後の試合がとてもコーフン的にはなりそうにないことだ。♪ドンドン、ドンガラガッタ、チャチャンカチャン。なにかこう、すでに閉会式のにおいがただよっている。

 なにかよいものはないかといろいろ動画を見ていたのだが、これ、というものがない。だんじりや山笠、御柱などの祭りは勇壮でコーフン的ではあるが、あれは男どもが生死をかえりみずにわーっと突っ込んでいくところがコーフン的なのであって、試合前の儀式にはなりにくい。


 かといって白浪五人男というわけにもいかんし、黒田節なんかも静かな力は感じさせるがコーフン的な展開にはなりにくい。ハカに対抗できるような日本の舞踏はちょっと思いつかない。何かいいものがあったら、教えていただきたい。

 最後に、オールブラックスのハカ vs. ラグビー・トンガ代表のシピタウ。

 くーっ、カッコいい。試合のコーフン度も最高潮だ。たまりません。