「麦秋」雑感

 若い時分、わたしは小津安二郎の映画を見るとき、いささかの我慢をしていた。お勉強的態度がどこかにあった。退屈でもあった。

 しかし、今、この年になると、見ていて面白いと感じる。

 この、若い頃と現在の違いは何のせいだろうか。年とる間に見てきたもの――別に大したものではなく、親しい人とのわだかまったやりとりとか、近所のおばさんのちょっとした言い草とか、日曜日のひなたぼっことか――の記憶が、映画の演出と結びつくのかもしれない。

 若い頃に小津安二郎の映画がピンと来なかった人も、ある程度年がいってから見ると、また印象が変わるんではないか。

 ところで、このはてなダイアリーで映画を紹介するたびに思うのだが、映画はAmazonのDVDにリンクを張るより、TSUTAYAにリンクを張ったほうが、よほど効果があるんじゃないか。読んで映画に興味を持った人は、DVDを買うほどではなくても、借りるなら抵抗ないだろうし、むしろ便利だろう。TSUTAYAも儲かるわけだし、ということは、はてなにもお金が落ちる仕掛けを作れるんじゃないか。知らんけど。