未来を感じさせるデザイン

 新しい新幹線のデザインをJR東日本が発表したそうだ。

 JR東日本のサイトによると、外装は、

カラーリングは「FASTECH360」の色彩をもとに、
・上部色「常盤(ときわ)グリーン」
・下部色「飛雲(ひうん)ホワイト」
・車体中央の色帯「はやてピンク」
とし、未来を感じさせる先進的イメージとスピード感を表現しました。

 とのことである。プレスリリースにはCADイメージも載っていた。

→ JR東日本:プレスリリース

 この手の「未来」や「先進的イメージ」なるものに、わたしは以前から疑問を感じている。わたしがガキの時分、今から30年以上前の少年向け雑誌の「未来都市イメージ」じゃなかろうか。もはや古くさいし、垢抜けないと思う。

 それとも、そんなふうに感じるのは少数意見で、一般には今でもこの手の「未来」や「先進的イメージ」が受けるのだろうか。よくわからない。

 もうひとつ、こっちの話のほうが大事だが、この手の車両が日本の山間部や農村部を走ったとき、どう見えるのか。緑色をあしらったから、緑の中にとけ込むというものでもないだろう。人工的な緑色がかえって周囲の緑の中で違和感を覚えさせる、ということもあると思う。

 わたしは鉄道に詳しくない。しかし、覚えている範囲では、新幹線の車両に、都市部はともかく山間部や農村部にとけ込むデザインは少ないように思う。走る京都タワーみたいなのが多い。

 電気機関車や古い特急車両なんかはそうではない。むしろ、日本のよい風景を作っていると感じる。

 別にあれらも、設計された当初は景観との調和なんて重視していなかったろうと想像する。古びてきたからまわりに馴染んできたのだと思う。

 そう考えると、新幹線(現時点では日本の混乱した風景の象徴である)が日本の風景に馴染むには、古くさいテクノロジーになるまで待たなければならないのかもしれない。

「未来」は痩せている。「先進的イメージ」は薄っぺらい。