買ってきたコーヒーのパッケージにこんな表示があった。
苦み ★★★
酸味 ★★★
コク ★★★★★
よくある表記法だが、改めて考えると、「コク」とは何であろうか。
広辞苑を引くと、「(本来、中国で穀物の熟したことをあらわしたところから)酒などの深みのある濃い味わい」とある。わかるような気もするが、改めて「深みのある味わいとは何ぞや?」と考え出すと、わらかなくなってくる。舌では分解しきれぬ複雑さのことなのか、バランスのことなのか。ちなみに漢字では「酷」と書くのだそうだ。
例によっての思いつきだが、歴代の総理大臣を「苦み」「酸味」「コク」で表示するとどうなるだろう。
まずは現職。
苦み ★★★
酸味 ★★
コク ★★
就任前はもっとコクがありそうな気がしたが、最近はあまり「深みのある濃い味わい」はなさそうだ、と思えて(バレて?)きた。苦みはそれなりにあるような気もするが、単に本人のポーズなのかもしれない。
前の二代の総理。
苦み ★★★★
酸味 ★★
コク ★★
苦み ★
酸味 ★
コク ★
政治手腕のことはよくわからぬが、福田総理の皮肉っぽい苦みがわたしは好きだった。しかし、コクには欠ける。安部晋三はまあ……薄味であった。
さらにその前に遡る。
苦み ★★★
酸味 ★
コク ★★
うーむ。個性的な総理ではあったと思うのだが、改めてこの3点で評価すると、薄味になってしまう。まあ、ドライな、乾燥しかかったバームクーヘンのような味わいがあの人の特徴ではあったから、しょうがないか。
いっそ、「甘み」という評価軸も設けてみよう。
苦み ★★★
酸味 ★
コク ★★
甘み ★★★★
もっと遡ろう。
苦み ★
酸味 ★★
コク ★
甘み ★★★★
苦み ★★
酸味 ★★★
コク ★★
甘み ★
苦み ★
酸味 ★★
コク ★
甘み ★★★
苦み ?
酸味 ★★★★
コク ?
甘み ?
ワハハ。宇野宗佑はしょうがない。後にほとんど苦笑しか残していないのだから。
苦み ★★★
酸味 ★★★★
コク ★★★
甘み ★★
苦み ★★
酸味 ★★
コク ★
甘み ★★
苦み ★★★★
酸味 ★★★★★
コク ★★★
甘み ★
苦み ★★
酸味 ★★★★
コク ★★★
甘み ★
苦み ★★★★★
酸味 ★★★★★
コク ★★★★
甘み ★★
昔の首相のほうがいろいろな点で味わいが濃かったように感じられるのは、映画の例の回想縁取り効果のようなものだろうか。
だいたい、ここまで来といて何だが、「総理の酸味」とはいったい何なのか? ああ、わからない、わからないと日は暮れていくのであった。