今の国語教科書

 少し前に、現在の作文教育はどうなっているのだろう、と興味を持って、学校の国語の教科書を何冊か買ってみたことがる。

 試しに、今、手元にある中学3年生向けの国語教科書を見てみよう。

「広告・宣伝文を作ろう」とか、「自己PRスピーチをしよう」、「パネル討論」など、わたしがガキの時分にはなかった項目もあり、なかなか新鮮である。

 一方で、文の組み立て方に関するページは、本編中に2ページ、「文法解説」という付録的なページの中に4ページである。

 それらのページを読むと、「あいまいな文」や「文章の論理構造」など、論理的な記述法を意識していることはわかる。しかし、いかんせんページが少ない。国語教育のカリキュラムを作る段階か、教科書を作る段階で、内部に綱引きでもあって、作文技術派が負けたのだろうか。