ウンココロ


 ウンコについての本。


 著者は、イラストレーターの寄藤文平(よりふじぶんぺい)と、寄生虫博士として有名な藤田紘一郎
 寄藤文平は、JTの大人たばこ養成講座を作っている人。名前は知らなくても、絵を見れば、知ってる、知ってる、と思う人は多いと思う。


 ウンコと、その製造機関である腸について、ポップなイラストと短めの文章で説明している。


 このイラストがよいのだわさ。


 消化器官をウンコ工場に見立て、ウンコのタイプ別に消化器官で何が起きているのか、説明している章がある。


 例えば、ヒョロヒョロウンコはあまり食べなかったり、腹筋が弱かったりすると出るらしい。


 ヒョロヒョロウンコ工場では、食物が少ないのでスタッフがサボっている。
 十二指腸では「家に帰りたい」、「やることナイ」とやる気なさそうだ。栄養を吸収する小腸では「働きがワルイ!」、「栄養が少ない!」と焦っている。ウンコを乾かす大腸でも「つまらない」、「やる気出ない」とモチベーションが低い。ウンコを出す肛門では、腹筋が弱いもんだから、痩せ衰えたジイサンがフルエながらウンコを絞り出そうとしている。


 わかりやすい。可笑しい。あちこちで声をあげて笑った。


 ウンコの話だが、絵がポップなので、オエオエ感はない。“うんまいこと説明するなー”と感心した。


 寄藤文平は、自分が無知であることを前提に、知ったこと、おお、へええ、と思ったことを、その興奮を大切にしてイラストにしていると思う。そうして、おお、へええ、は、こっちにも伝わる。
 スタンスが、ちょっと南伸坊に似ている。


 よい本だ。
 よいウンコのためにどうぞ。よい毎日は、ウンコを(文字通り)見つめ直すところから始まるのかもしれない。